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G.17.2.1 P-デルタ解析

横方向荷重を受ける構造物は、鉛直荷重の作用点の移動による二次的な力を経験する場合がよくあります。P-デルタ効果として一般に知られている二次的な効果は、構造物の解析において重要な役割を持っています。

教科書では、二次効果は引張状態にあるメンバーの場合の応力硬化(または圧縮での応力軟化)として言及されています。P-Deltaによる剛性の変化は、幾何剛性[Kg]として知られています。メンバーのP-Delta効果には2つのタイプがあります。メンバーの一端の他端に対する変位(たとえば、コラムメンバーの層変形)によるP-Δ。2つ目の効果は、メンバーの曲げによるP-δ。

メンバーの曲げによるP-δは、ローカル/グローバル剛性、ノード変位、メンバー端断面力に影響を与えるだけでなく、断面変位と断面モーメントにも影響を与えます。(軸圧縮メンバー力)に(端部断面変位に対するローカル変位)を掛け合わせると、曲げモーメントに加えて断面モーメントが得られます。この追加の断面モーメントにより、追加の断面変位が発生しますが、これが繰り返されます。通常、このプロセスは、メンバーの座屈荷重を超えていない場合、5〜20回の反復後に収束します。STAAD.Proは、収束または発散が発生しない限り、最大20回の反復を使用します。

メンバーの曲げによるP-δは、メンバーが十分に曲がっている場合、張力によって発生することもあります。STAADは引張に対して一度だけ反復します。

STAAD.Proは、ソリッドに対しては、幾何剛性の効果を考慮しません。変形する構造物の部分に、変形の無視できないソリッドがある場合は、P-デルタ解析でも(座屈解析でも)結果は誤ったものになります。